あおと、みどりと

Is the earth crying?

オーガニックの背景にあるもの③POPsと環境ホルモン

 

健康や環境に悪い影響を与えるものを「有害化学物質」といいます。

その中でも、特に有害なものがPOPs健康被害を与える)と、環境ホルモン(染色体異常や奇形の原因となる)とされます。

 

 

次の3つの性質を持つものを、

POPs(Persistent Organic Pollutants)=残留性有機汚染物質といいます。

 

①難分解性

  • 自然環境の中で分解されにくく、長く残留する。

②移動性

  • 有害な性質を失わないまま大気や海水の循環に乗り、地球規模で移動する。蒸発―拡散―冷却―降下と昆虫のバッタのように移動するので「バッタ効果」と呼ばれる。

 ③脂溶性が高い

  • 脂溶性が高く生体内に濃縮蓄積し、健康被害を引き起こす可能性が高い(ホルモン異常や神経障害、免疫毒性、発ガン性など)。「環境ホルモン」として疑われている物質も多く含まれる。水になじみにくく脂となじみやすい性質があるため、脂肪の中に蓄積され、なかなか排出されない。そのため特に女性が影響を受けやすいとされる。

 

 

POPs残留性有機汚染物質)の種類

  • 農薬……DDT、HCB(ヘキサクロロベンゼン)、アルドリン、ディルドリンなど

 

  • 工業化学物質……PCB(ポリ塩化ビフェニール)類

 

  • その他……PCDF (ポリ塩化ジベンゾフラン)= ダイオキシン類など

 

*POPsの多くは農薬であるようです。

 

 

北極域で暮らすホッキョクグマやアザラシの体内から検出されたポリ塩化ビフェニール(PCB)DDTは、POPs残留性有機汚染物質)です(2004年、世界自然保護基金(WWF)の報告)

これらはすでに製造・使用が禁止されていますがいまだに検出されるのは難分解性であることと、全ての国で禁止されている訳ではないということが関係してるようです。また似たような化学式を持った物質が生み出されていることにも注意が必要です。

 

 

 

有害化学物質の中でも、生殖機能などに異常を引き起こす物質は「環境ホルモン」(外因性内分泌撹乱化学物質)といわれます。1996年、シーア・コルボ―ン著「奪われし未来」により明らかにされました。

POPsに多く含まれ、人体内の成長ホルモン、女性ホルモン、男性ホルモン、甲状腺ホルモンなどに影響を与えるとされています。(例えば、ポリカーボネート製の食器、哺乳瓶、塩化ビニール製の玩具などにも環境ホルモンが含まれていることがあるそうです)

 

環境ホルモンの恐ろしいところは、その影響が汚染を受けた世代の、次の世代に現れる可能性があるところです。

 

化粧品や洗剤に使われている合成界面活性剤も、環境ホルモンです。乳化剤とは界面活性剤のことですが、合成のものと天然のものがあるので、成分などを気にしてみるのも良いかもしれません。

 

農薬は主に殺虫・除草に使われますが、普段家庭で使って殺虫剤や除草剤も畑や田んぼで使えば農薬になります。