北極圏に生息するホッキョクグマ、アザラシなど野生生物たちにも異変があらわれているようです。免疫力の低下や、雄雌同体の個体や奇形児が生まれたり、甲状腺ホルモン異常が見られるなど…。
1998年に、雄雌同体という奇形を持ったホッキョクグマが発見されたことが報じられたそうです。(イギリスのBBCニュース)
また、既に先進国では使用禁止になっているポリ塩化ビフェニール(PCB)や農薬のDDTが、ホッキョクグマやアザラシなどの北極域の哺乳類の体内から高濃度で発見されたことを2004年、世界自然保護基金(WWF)が報告しています。
- ポリ塩化ビフェニール(PCB)… 電信柱にある変圧器など電気機器の絶縁油、樹脂の加工に用いられる可塑剤(かそざい)、ノンカーボン紙の塗料など
- DDT… 殺虫効果が高い。シロアリ駆除剤として使われたこともある。日本でも1971年まで農薬として使われていたが使用禁止になっている。
健康や環境に悪い影響を与えるものを「有害化学物質」といいます。化学物質の中には、分解・無害化されないで残留するものもあります。分解されない化学物質は、哺乳類などの食物連鎖の頂上にいる生物の体内に蓄積され生体に異常を起こすものもあり、環境問題は地球全体規模で考えなければならないようです。
食物連鎖の頂上は人間です。
北極圏に生息するホッキョクグマから有害化学物質が検出されることは、この性質と食物連鎖が関係しているようです。
ニホンザルの胎児の脳から有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)と、体内で変化してできた水酸化PCBが検出されたというニュースが2020年にあったようです。それによると、脳の発達への悪影響が懸念される物質が、妊娠の早い段階で母から子へ移行しているらしいということです。日本では1972年に使用は禁止されていますが、不適切廃棄などで環境への流出は続いているとされます。「人は食物を通じてサルよりも多くPCBを取り込んでいるとみられる。人の胎児への影響評価法を作る必要がある」としています。
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