ベニシア・エッセイ
「瑞穂の国」
瑞穂(みずほ)の国では お米が生活の中心です
わたしもカマで稲狩りのお手伝いをしながら 遠い昔のことを思い出していました
1972年の夏 わたしは四国の小さな村にたどり着きました
有機農法の大家である福岡正信先生から米について学んだのです
わたしたちは毎日 福岡先生と田んぼで作業しました
先生は「自然は植物が育つのに必要な知識も資源もすべて備えている」と教えてくれました
今こうして多くの若者が農業に従事し 子どもたちと一緒に昔ながらのやり方で稲を刈り
干している様子を見たら先生は喜んだことでしょう
「太陽のお米だ」と小さな子が言いました
カマをおろして大地に「ありがとう」とお礼の言葉をささやきました
NHK「猫のしっぽカエルの手」より(一部抜粋)