Venetia's Essay
ハーブという贈り物
夕方近く 緑の稲穂が膨らむ田んぼの間を歩いていました
太陽は大原の里の向こうに沈みましたが 空は一面 淡いきれいな青色です
非の打ちどころのない美しさにみとれていたら 突然心がぐさりと痛みました
ひどい光景が目に入ったからです
わたしが歩いていた道のヨモギやネコジャラシが 除草剤のせいで茶色に変色し 枯れていたのです
草を踏みつけないよう石の上を歩きながら「知らない間に自分や地球を痛めつけているなんて」と思いました
自然は優しいやり方で ハーブという贈りものを わたしたちに授けてくれます
土壌を肥やし 害虫を寄せつけないハーブ
家を清潔に保ち 若く美しくしてくれるハーブ
病気を癒やし 健康と体力増強に効果のあるハーブ
そして最後にとても大事なことですが ハーブにはご近所さんと仲よしにさせてくれる効果もあるのです
2010年7月
NHK「猫のしっぽカエルの手」より