南米ペルー、15世紀のインカ帝国の遺跡として有名な世界遺産、マチュ・ピチュ。
ここでも、天体の運行に合わせて、生活していたことが分かっています。太陽の動き、夏至や冬至、春分や秋分などが観測されていました。
儀式を行う為や、農作物の植え付、収穫などのタイミングとも関わっています。
街には、天体観測に用いられた遺構がいくつかありますが、特別な遺跡があります。
1980年に発見された、天体観測所「エル・ミラドール・デ・インカラカイ」です。
研究者の方々は、この天体観測所から見えた星空を正確に再現し、何を観測していたのかを調べました。
建物の正面には、2つの穴があります。
南側の穴から観測できたのはプレアデス星団(すばる)。プレアデス星団の位置や明るさから、季節を読み解いていたようです。
北の穴からは、夏至の日付を正確に割り出すことができました。夏至の日にだけに、山の頂から出る太陽の光が、穴に差し込むように設計されていました。
直接はのぞき込まず、後ろに壁に映った光を観察していたようです。
この地域では大量の雨が降り、人々にとって試練でした。マチュピチュには、天体観測所としての役割もあったようです。