石川県・能登半島 内浦。
ここで、世界中から注目される「定置網漁」が行われています。
定置網漁
回遊する魚の通り道に巨大な網を張り、魚をとる漁法。
一番手前の浮きから大体2km先まで、この網が敷設されています。幅は約450m。
江戸時代に確立され、今も盛んに行われています。
定置網漁は、海の生態系を壊さずに少しずつ魚をとる持続可能な漁。追いかけず待って取る、とり尽くさない漁。
入り口が開いたままなので、およそ7割の魚が網の外へ出ていき、さらに小さな魚は網の目を抜けて外へ出ていくことができます。
この漁を学ぼうと、世界中の人達が訪れています。
富山湾の特徴は、陸地から非常に近い所が深くなっていること。最大深度1200m。そのため、いろんな魚が回遊してきます。
受け継がれる漁の考え方
縄文人は狩猟採集の時代、移動生活を送ると考えられていましたが、ここには4000年間、人が定住した村『真脇遺跡』があります。
遺跡からは、縄文人が漁をして生活していたことを現わす出土品が、多く発掘されています。
(真脇遺跡縄文館に展示)
この地で、暮らしの中心にあったと考えられているのがイルカ。イルカの骨と一緒に発掘されたのは、木の柱。
柱がどのように使われたのかは、北方の先住民族アイヌの事例から推測できるそうです。
アイヌは、クマを信仰していて「熊送りの儀礼」が有名。
でも、アイヌには鯨を送る儀礼っていうのもあり、その時に「柱を立てて行った」という記録が残っているそうです。真脇の縄文人は、この柱を使って同じような儀礼を行っていたと考えられています。
イルカに関する神様が祭られているのは、2000年の歴史をもつ須須(すず)神社。
命の恵みをくれる自然に感謝する先人たちの精神は、能登の漁師に継承されています。